遺伝学

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新・生命科学ライブラリ-A  3

生命科学III

遺伝学

定価:
2,145
(本体:1,950円+税)
難易度:入門

発行日:2005年4月25日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-1094-9

サイズ:並製A5

ページ数:216ページ

在庫:在庫あり

内容詳細

できるだけ原著論文にあたって説明を加えることにより,真に遺伝の概念を理解するための手助けとなるよう配慮した,生物・生命系の学生向き教科・参考書.

目次

第1章 遺伝学のはじまり(メンデルの業績)
1.1 遺伝と変異
1.2 メンデルの実験
1.3 概念としての遺伝子
1.4 遺伝子の出発

第2章 雑種第1代(優性と劣性)
2.1 なぜエンドウか
2.2 品種の特徴
2.3 雑種をつくる
2.4 雑種の特徴

第3章 雑種第2代(表現型の分離)
3.1 雑種どうしの交配
3.2 分離比の検定
3.3 統計的な解釈

第4章 雑種第3代以降(遺伝子型の分離)
4.1 F2のタイプ分け
4.2 遺伝子型と遺伝子記号
4.3 自家受粉を繰り返す
4.4 遺伝子記号の意味

第5章 2遺伝子雑種(独立の遺伝)
5.1 F2の表現型
5.2 F2の遺伝子型
5.3 F2のグループ分け
5.4 パネット方陣による説明
5.5 2通りの掛け算
5.6 表現型の分離比
5.7 発展

第6章 遺伝子型の推定(戻し交配と検定交配)
6.1 F1の戻し交配
6.2 遺伝子型の推定
6.3 他の組み合わせの交配
6.4 メンデルの論文のつづき

第7章 減数分裂(遺伝子と染色体)
7.1 体細胞分裂と減数分裂
7.2 減数分裂における染色体
7.3 分離・独立の法則との関係
7.4 遺伝子の染色体説
7.5 配偶子形成と減数分裂

第8章 性染色体と常染色体(染色体による性決定)
8.1 X染色体の発見
8.2 性決定の様式
8.3 性染色体の組み合わせ
8.4 ヒトの性決定
8.5 発展

第9章 伴性遺伝(遺伝子が染色体にある証拠)
9.1 性染色体の特殊性
9.2 モーガンの発見とF1の作製
9.3 F1どうしの交配
9.4 戻し交配
9.5 染色体の不分離
9.6 ショウジョウバエの場合
9.7 高頻度の染色体不分離

第10章 連鎖(同じ染色体にある遺伝子)
10.1 遺伝子の数と染色体の数
10.2 独立の法則からの歪み
10.3 連鎖による説明
10.4 完全でない連鎖
10.5 組み換え率の計算

第11章 組み換えと乗り換え
11.1 減数分裂における乗り換え
11.2 交配の結果わかる組み換え
11.3 地図距離の計算
11.4 組み換え率の上限

第12章 連鎖地図の作成(染色体に並んだ遺伝子)
12.1 連鎖地図というアイデア
12.2 世界最初の連鎖地図
12.3 3点交配の要領
12.4 多重乗り換えの生じ方
12.5 干渉率の計算

第13章 核型染色体と唾腺染色体
13.1 ショウジョウバエの核型染色体
13.2 唾腺染色体の構造
13.3 ショウジョウバエの唾液染色体

第14章 染色体異変とその利用
14.1 染色体異変の種類
14.2 染色体異変のでき方
14.3 染色体異変の見え方
14.4 逆位による組み換えの抑制
14.5 染色体異変の利用

第15章 集団遺伝の基礎(ハーディ・ワインベルグの法則)
15.1 集団遺伝の考え方
15.2 ハーディによる証明
15.3 ハーディ・ワインベルグの法則
15.4 法則の拡張
15.5 法則にあわない場合
15.6 遺伝子座間の関係

第16章 量的遺伝の基礎(回帰)
16.1 質的な形質と量的な形質
16.2 遺伝子座の数と表現型の分布
16.3 より現実的なポリジーン
16.4 回帰という概念
16.5 回帰と遺伝率
16.6 狭義の遺伝率と広義の遺伝率

第17章 進化遺伝の話題
17.1 遺伝と進化
17.2 種の定義と生殖的隔離
17.3 雑種致死・雑種不妊の遺伝子
17.4 ホールデンの法則
17.5 雑種致死の例
17.6 雑種致死救済遺伝子の研究

第18章 遺伝子の分子的実体
18.1 遺伝学の発展
18.2 DNAの構造
18.3 DNAの複製
18.4 遺伝情報の流れ
18.5 遺伝情報の意味

付録

あとがき

索引


サポート情報

その他

正誤表・注釈


新・生命科学ライブラリ A3
「生命科学III 遺伝学」 サポートページ



■ 初版第1刷正誤表

場所
25 表中 0.642 0.0642
38 問の下3行目 low of segregation law of segregation
44 項目4. F2(30個) F2(32個)
44 項目4.の最後に追加 2個は遺伝子型の推定ができなかった.
46 下から2行目 low of independence law of independence
47 図21 F2の数式 3行目 4/16 AbBb 4/16 AaBb
51 グループ3 AaBbccの数 8 48
59 図25のC 1/16 aaBb 1/16 aabb
64 中期の説明 赤道面(equatorial plate) 中期核板(metaphase plate)
68 表「次世代の体細胞」の1行目 1通り 4通り
76 下から8行目 雄にしかない 雌にしかない
109 図46 左上の2本の染色体 青の上にAとb、黒の下にaとB 青の上にAとB、黒の下にaとb
116 第2段落 5行目 19歳 21歳
124 12.5 干渉率の計算 4行目 併発率(coincidence) 併発率(coefficient of coincidence)
133 図55 上右の円内 X字型の染色体が上下に2本並んでいる X字型の染色体を左右に2本並べる(染色体の向きはそのまま)
138
139
140
141
142
201
上から14行目
図58の中と下の説明中
上から7行目と20行目
図59の中と下の説明中
上から7行目
索引中
転移 転位
154 メンデル集団の英訳 Menderian population Mendelian population
158 最終行microのルビ ミクロ マイクロ
194 図84 最上行 2番目の塩素 2番目の塩基
194 図84 最右列 3番目の塩酸 3番目の塩基



■ 注釈

場所 注釈
6 下から12行目~10行目 メンデル論文の別刷りがダーウィンの蔵書にあったかどうかは確認されておらず,噂にすぎないとする見解が強い.
64 10行目~11行目 一般に減数分裂の別名として還元分裂が使われるが,これは正確ではない.第1分裂のように染色体数が半減する過程を還元分裂という.
102~104 wgと記述した遺伝子は,現在のvg (vestigial)に相当するようである.
190 1つ目の問 (次の1文を追加) ただし、反対鎖の3'側からmRNAが転写されるものとする.

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