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セレクション社会心理学 27

「存在脅威管理理論への誘い」
〜 人は死の運命にいかに立ち向かうのか 〜

脇本竜太郎(明治大学専任講師) 著

定価:1,728円(本体1,600円+税)
発行:サイエンス社
発行日:2012-09-25
ISBN 978-4-7819-1309-4 / 四六判/224頁


<内容詳細>
人は皆,自分がいつか必ず死んでしまうことを知っています.いつ訪れるとも分からない自分の死を知っているというのは,とても恐ろしいことです.それでも人は日々の生活を送り,人生をより有意義なものにしようとしています.そのような人の心の働きを説明する理論として,近年注目を集めているのが「存在脅威管理理論」です.ここでは,人は自分を取り巻く文化がもつ世界観を守り,自尊感情を高めることによって,死への恐怖を和らげているのだと説明しています.本書は,その「存在脅威管理理論」について,気鋭の研究者がやさしく解説した日本語によるはじめての文献です.テロや災害,社会とのつながりや絆,といった問題について考えてみたい方にもおすすめの一冊です.

<目次>
はじめに

1 存在脅威管理理論の基礎
  存在論的恐怖
  存在論的恐怖を和らげる措置としての自尊感情、文化的世界観
  自尊感情と文化的世界観がもたらすもの
  存在脅威管理理論の基本仮説─CAB仮説とMS仮説

2 自尊感情関連反応に存在論的恐怖が及ぼす影響
  自尊感情が高いと、死の不安を感じない
  個人的側面での自尊感情希求反応
  寄らば大樹の陰―集団所属を通した間接的自己高揚

3 自尊感情の基盤を守る―文化的世界観の防衛
  文化的世界観の妥当性をいかに守るか?
  外集団排斥
  ステレオタイプに囚われた判断
  差別主義者への共感
  規範遵守・逸脱に関わる反応
  存在論的恐怖は創造性を損なう
  文化的世界観でのCAB仮説の検証

4 存在論的恐怖に対する防衛の認知プロセスモデル
  存在論的恐怖の操作は主観的な不快感情を強めない
  存在論的恐怖が強すぎると、防衛反応が生じない
  自尊感情と文化的世界観が抑制するもの―死関連思考の接近可能性
  死を考えた直後には何が起こっているのか?
  防衛の二過程モデル

5 身体性に関する問題
  動物性の切り離し
  身体を通じた自尊感情希求
  健康関連反応への影響
  セックスにまつわる問題
  子を産み、育てること

6 関係性へのアプローチ
  存在脅威管理理論における関係性の位置づけ
  恋愛関係に関する研究
  子供を持ちたいという欲求
  親離れの難しさ
  友人関係の希求
  関係性に関する知見をいかにとらえるか?
  不安緩衝装置の緩やかな関連づけ

7 ソシオメーターおよび進化心理学的視点との関連
  ソシオメーター理論と進化心理学的視点
  関係価と自尊感情の関連
  ソシオメーターの誤作動
  進化心理学的視点と存在脅威管理理論
  ソシオメーター理論の知見を存在脅威管理理論から説明する

8 よりよい対処に向けて
  世界観防衛の暗黒面―九・一一テロ後の否定的な反応
  自尊感情追求に関する問題
  文化的世界観防衛が集団間葛藤に結びつくのを防ぐ
  よりよい自尊感情追求の形―自分のためは他人のため
  関係性による置き換え

おわりに

引用文献