悲嘆の心理

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悲嘆の心理

定価:
2,750
(本体:2,500円+税)

発行日:1997年4月1日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-0833-5

サイズ:並製A5

ページ数:272ページ

在庫:品切れ

内容詳細

人の死や愛するものを失い悲嘆にくれる体験は,人生の中で必ず味わざるを得ないもので,この重要な心理体験をどう受け止めるかは,その後の生き方に大きく影響する.本書は,精神医学や看護学などの領域も含め,悲嘆の心理をめぐる様々な研究の動向や成果を解説した,他に類をみない書である.

目次

1 悲しみとは何か? 悲しみはいかに発達するか?
1-1 悲しみを科学する
1-2 悲しみの発達
1-3 悲しみの個人差とそれを規定する要因
1-4 子どもにおける悲嘆(grief)とそれに対する援助
2 悲しみの認知心理学 気分と記憶の関係
2-1 はじめに
2-2 気分の操作の方法
2-3 悲しい(憂うつな)気分と記憶の悪化
2-4 悲しい(憂うつな)気分と気分一致効果
2-5 おわりに 今後の研究に向けて
3 死別体験者の悲嘆について 主として文献紹介を中心に
3-1 はじめに
3-2 悲嘆の定義
3-3 正常な悲嘆反応と病的悲嘆反応
3-4 死別体験者の悲嘆を促す因子
3-5 悲哀の過程について
3-6 悲嘆反応のメカニズム
3-7 配偶者の死
3-8 子どもの死
3-9 突然死
3-10 特殊な死
3-11 悲嘆反応に対する対応の仕方
3-12 むすびに代えて
4 対象喪失とモーニング・ワーク
4-1 はじめに
4-2 対象喪失とは
4-3 モーニング(mourning)の心理過程
4-4 ライフサイクルにおけるモーニング
4-5 モーニングのできる心・できない心
5 老人の近親死反応
5-1 はじめに
5-2 わが国の老年期における近親者との死別率
5-3 親の死の悲嘆とその意味
5-4 過小評価されてきたきょうだいの死
5-5 成人した子どもの死と支えの喪失
5-6 配偶者の死と回復へのプロセス
5-7 近親死 それぞれの悲しみ
5-8 悲嘆のプールと免疫説
6 遺族への看護 失うがゆえに得られること
6-1 はじめに
6-2 喪失の意義
6-3 家族への影響
6-4 遺族への看護
6-5 おわりに
7 災害被災者の精神健康と回復への援助
7-1 はじめに
7-2 被災者への心理的支援活動
7-3 被災者の精神健康度
7-4 被災遺族の回復過程
8 失恋の心理
8-1 愛をともらう
8-2 別れのメカニズム
8-3 失恋時の反応
8-4 失恋からの回復
9 グリーフカウンセリング 青年たちが体験した突然の親との死別
9-1 学生相談の場に見られる悲嘆と悲哀の過程
9-2 事例:小学校低学年のときに父親を亡くした女子学生Bさん
9-3 事例:小学校高学年で父親を喪ったYさん 父なる強さを求めて母親から離れる努力
9-4 2人の大学生に見られる悲哀の意味
9-5 悲哀の課題について(J.W.ウォーデンより)
9-6 おわりに
10 悲嘆研究の現状と今後
10-1 悲嘆に関する心理学の現状
10-2 悲嘆研究が進まぬ理由
10-3 悲嘆研究の蓄積を

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