意識と脳

書影

ライブラリ脳の世紀:心のメカニズムを探る  8

意識と脳

心の電源としての意識
定価:
2,420
(本体:2,200円+税)
難易度:中級

発行日:2000年3月1日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-0935-6

サイズ:並製A5

ページ数:240ページ

在庫:品切れ

内容詳細

「意識」という言葉で表されるものとは一体何なのだろうか? 誰もがその存在を確信しながらなかなか科学の対象となり得なかった意識.長年,臨床と研究の両面から意識の謎を追究してきた著者がその成果をまとめた意欲作.意識の正常な現象と異常な現象について,脳の働きから解説した現段階における鳥瞰図となっている.

目次

1 正常な意識のメカニズム
1-1 脳波の意味するもの
1-1-1 先駆者たち
1-1-2 脳波の記録原理
1-1-3 脳波と意識水準
1-1-4 脳科学豆知識:神経細胞(ニューロンとは)
1-1-5 脳科学豆知識:ニューロンの電気活動
1-2 2つの睡眠の発見
1-2-1 睡眠深度
1-2-2 レム睡眠の発見
1-2-3 夢みる睡眠
1-2-4 レム睡眠とノンレム睡眠
1-2-5 睡眠図
1-2-6 脳科学豆辞典:筋電図
1-3 眠りの効用
1-3-1 動物の眠り
1-3-2 睡眠時間と覚醒時間
1-3-3 エネルギーの節約
1-3-4 エネルギーの蓄積
1-3-5 断眠実験
1-4 脳波同期化の機序
1-4-1 同期化解明への歩み
1-4-2 視床とは?
1-4-3 紡錘波の発生機序
1-4-4 デルタ波の発生機序
1-4-5 脳科学豆辞典:シナプスとシナプス後電位
1-4-6 脳科学豆辞典:チャンネルとは?
1-5 夢みる脳の仕組み
1-5-1 ネコのレム睡眠
1-5-2 レム睡眠中に起こる出来事
1-5-3 ジュベーのモノアミン説
1-5-4 ホブソンの相反的相互作用説
1-5-5 相反的相互作用説の凋落
1-5-6 個別レム事象の実行系
1-5-7 カルバコールによるレム睡眠誘発の最適部位
1-5-7 総合への展望
1-5-8 脳科学豆辞典:受容体の薬理
1-5-9 脳科学豆辞典:モノアミン系
1-5-10 脳科学豆辞典:アセチルコリン系
1-6 覚醒の機構1:網様体賦活系
1-6-1 マグーンの上行性網様体賦活系
1-6-2 中枢アセチルコリン系
1-7 覚醒の機構2:ノルアドレナリン系とセロトニン系
1-7-1 中枢ノルアドレナリン系とアセチルコリン系
1-7-2 ノルアドレナリンのニューロン活動
1-7-3 精神的緊張と皮膚電気活動
1-7-4 中枢セロトニン系
1-7-5 脳科学豆辞典:覚醒剤と6-OHDA(ハイドロキシドーパミン)
1-7-6 脳科学豆辞典:パブロフ型条件反射
1-8 快感の中枢
1-8-1 フロイトの快楽原則
1-8-2 新行動主義のオペラント条件反射
1-8-3 脳内報償系の発見
1-8-4 脳内報償系の実体
1-8-5 薬物の自己投与
1-8-6 本能行動とドーパミン系
1-8-7 やる気ニューロン
1-9 注意の構造
1-9-1 感覚のフィルター
1-9-2 聴覚誘発電位の証拠
1-9-3 Nd電位
1-9-4 半側空間無視
1-9-5 ポズナーの実験
1-9-6 注意の神経機構\r
1-9-7 注意の優位半球
1-9-8 覚醒水準と注意機能\r
1-10 なぜ夢を見るのか
1-10-1 古代人の夢
1-10-2 科学への動き
1-10-3 フロイト説の登場
1-10-4 夢とレム睡眠
1-10-5 ネコの夢幻様行動
1-10-6 レム睡眠中の脳活動と夢
1-10-7 レム睡眠中の自律神経活動
1-10-8 2つの睡眠の意味
1-10-9 夢はなぜ見るのか
2 異常な意識のメカニズム
2-1 意識水準の低下:意識混濁の系列
2-1-1 意識の混濁とは
2-1-2 その他の意識障害
2-1-3 意識混濁の段階づけ
2-1-4 意識混濁の脳波
2-1-5 意識混濁の成立機序
2-1-6 脳死について
2-1-7 低覚醒における精神機能について
2-2 譫妄と幻覚
2-2-1 アルコール譫妄
2-2-2 夜間譫妄
2-2-3 夜間譫妄とレム睡眠
2-2-4 アルコール譫妄とペラグラ精神病
2-2-5 セロトニンの役割
2-3 病因としてのストレス
2-3-1 精神障害の原因としてのストレス
2-3-2 キャノンの研究
2-3-3 「ストレス」の提唱
2-3-4 病因としてのストレスの発見
2-3-5 内因とは?
2-3-6 神経衰弱
2-3-7 急性ストレスの睡眠への影響
2-3-8 ストレスで過覚醒になる仕組み
2-3-9 過覚醒の慢性化
2-3-10 中枢ノルアドレナリン系の可塑性
2-4 軽い過覚醒:不安障害とその周辺
2-4-1 過ノルアドレナリン症候群
2-4-2 神経衰弱の過覚醒
2-4-3 適応障害
2-4-4 不安障害とは
2-4-5 PTSD(心的外傷後ストレス障害)
2-4-6 恐怖性障害(パニック障害)
2-4-7 全般性不安障害
2-5 意識の解離と狭窄
2-5-1 ヒステリーの特徴
2-5-2 ヒステリーの歴史
2-5-3 ジャネとフロイト
2-5-4 戦争神経症からPTSDへ
2-5-5 DSM-IIIにおけるPTSD
2-5-6 PTSDにおける解離の機序
2-5-7 過覚醒と解離
2-6 精神分裂病における過覚醒と低覚醒
2-6-1 精神分裂病とは
2-6-2 分裂病に特徴的な症状
2-6-3 経過
2-6-4 ドーパミン仮説の盛衰
2-6-5 薬理学的手がかり再考
2-6-6 皮膚電気活動の異常とその発生機序
2-6-7 追跡眼球運動の異常とその発生機序
2-6-8 ノルアドレナリン系異常の実在
2-6-9 精神症状の説明
2-6-10 分裂病の発病状況
2-7 鬱と躁の謎
2-7-1 メランコリーとマニー
2-7-2 具体例
2-7-3 鬱病の症状
2-7-4 躁病の症状
2-7-5 経過
2-7-6 薬理学から考えられる鬱病の成因
2-7-7 死後脳と髄液の所見
2-7-8 鬱病の合理的薬物療法への展望
2-7-9 鬱病とレム睡眠
2-7-10 躁病の成因
2-7-11 アルコールと躁鬱病
2-7-12 鬱病の原因
3 21世紀への展望
3-1 分類学から意識の脳科学へ:21世紀精神医学のストラテジー
3-1-1 エコノモ脳炎
3-1-2 クライストの脳幹症候群
3-1-3 脳の電源系
3-1-4 老年性精神障害
3-1-5 精神医学・医療の脳科学的基礎

サポート情報

関連書籍

脳科学への招待

松村道一

2,090円(税込)

入門
学習と脳

久保田 競虫明 元宮井一郎

2,090円(税込)

中級
思考と脳

渡邊正孝

2,090円(税込)

中級