数理科学 2024年12月号

2006年度 日本数学会出版賞受賞
科学の最前線を紹介する月刊誌

自然科学と社会科学はいまどこまで研究されているか,つねに科学の最前線を明らかにし,大学・企業で注目を浴びている雑誌です.
毎月20日発売 B5判 約80ページ 定価(本体:954円+税)

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数理科学 2024年12月号 No.738

使う数学,使える数学

「数学は役に立つのか?」へのヒント
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2024年12月

JAN:4910054691245

在庫:在庫あり

内容詳細

自然現象を研究する自然科学,人の活動による社会現象を研究する社会科学,また近年著しい発展をみせる情報科学やAIなどの技術には様々な数学が活用されており,私たちの身の回りにはいろいろな数学が存在しています.しかしながら,ときに「数学って何の役に立つの?」といった疑問をもたれることも少なくありません.本特集では,物理学,化学・材料,医療,気象,人工知能などの様々な例を通じ,数学はいかに使われているのかといったことに迫っていきます.

表紙CGコメント

3 つの 2 次元トーラス(円環)にメビウス変換を施して変形し,モデリングしています.ここで 3 次元のメビウス変換は不定値内積が定められた 5 次元ユークリッド空間内において,(4,1)型不定値内積を保つ変換によって与えられます.これは 4 次元射影空間内で,不定値内積が 0 になる 2 次曲面(メビウス空間)を保ちます.ユークリッド空間ではなく,メビウス空間での変換を使うことによって,形状設計においてもよい性質を持った変形ができます.(巴山竜来)

目次

特集

  • 使いつくしたい数学
    小谷元子
  • 数理モデルで見る世界の分断
    西浦廉政
  • 線形代数
    ~ 変換を計算する数学とその応用 ~
    新井仁之
  • 物理と数学
    ~ 代数学と物理学の関係 ~
    川村嘉春
  • 化学・材料と数学
    ~ 物質構造の数学 ~
    内藤久資
  • 医療と数学
    ~ 血液の流れを調べるための数学 ~
    水藤 寛
  • 天気予報と数学
    ~ 現象を記述し予測する数理科学 ~
    三好建正
  • 統計と数学
    ~ 積分幾何学と確率場の幾何 ~
    栗木 哲
  • AIと数学
    ~ 深層学習と幾何学の交わり ~
    福水健次

連載

  • Lappo-Danilevskyを読む 3
    ~ 基本解行列の構成 ~
    原岡喜重

研究室の窓

  • 考えるとはどういうことかを探す旅
    土佐幸子

サポート情報

次号の予告

数理科学 2025年1月号 No.739

量子力学の軌跡

現代的視点で捉えなおす100年の歩み
ハイゼンベルクらによる行列力学の提唱を量子力学の誕生とすれば,2025年に量子力学は100歳を迎えます.本特集では,量子力学生誕100年を記念し,量子力学はどのような経緯から建設され受容されるようになったか,量子力学の登場で物理学はいかに変わったかといった歴史的な事柄から,ボーアとアインシュタインの論争に端を発する量子の基礎問題,さらに誕生から100年を経て得られた理論・実験研究の成果や量子情報など科学技術上のインパクトなどについての解説を通し,今日的な視点から量子力学を捉え直します.

<特集構成>
巻頭言 ― 量子力学の建設から百年を迎えて/量子論から量子力学へ/量子力学と素粒子論の成り立ち/日本における量子力学の受容/量子力学のユニークさ ― 量子力学は他の物理学理論とどう違うか/量子と物理 ― マクロ系における量子力学/量子力学の基礎問題 ― 現状と新たな展開/量子と情報 ― 量子情報科学の創成期の人々とその後の発展

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拡がりゆく圏論

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位相的K理論をめぐって

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