数理科学 2023年12月号

2006年度 日本数学会出版賞受賞
科学の最前線を紹介する月刊誌

自然科学と社会科学はいまどこまで研究されているか,つねに科学の最前線を明らかにし,大学・企業で注目を浴びている雑誌です.
毎月20日発売 B5判 約80ページ 定価(本体:954円+税)

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数理科学 2023年12月号 No.726

身近な現象の量子論

映し出される新たな世界像
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2023年12月

JAN:4910054691238

在庫:在庫あり

内容詳細

いまや理工系分野では,必須となった量子力学ですが,近年では量子コンピュータに関する報道も相俟って,私たちの生活にも身近なものになり,ますます注目を集めております.量子力学そのものや,量子計算に関する研究もさることながら,量子力学は理工系の様々な分野と関係しており,期待は高まっているかと思います.本特集では,数理科学諸分野に現れる量子力学について,紹介していきます.

表紙CGコメント

今回の表紙では Dupin のサイクリッド曲面をモデリングしています.これはトーラスやシリンダー,ダブルコーンを反転して得られる曲面のクラスであり,リー球面変換によって不変な幾何学的性質を持っています.(巴山竜来)

目次

特集

  • 巻頭言
    枝松圭一
  • 量子力学と電子回路
    北野正雄
  • 量子力学と光,通信,セキュリティ
    平野琢也
  • 量子力学と電子デバイス
    山本倫久
  • 量子力学と巨視的機械振動子
    山口浩司 , 浅野元紀
  • 量子力学と時間・時計
    井戸哲也
  • 量子論と宇宙論
    向山信治
  • 量子力学と宇宙化学
    柘植雅士

コラム

  • 量子力学と視覚
    鹿野 豊
  • 液体ヘリウム上の電子の量子力学的実験
    川上恵里加
  • 量子力学と重力波検出
    宗宮健太郎
  • 量子力学と生物センサ
    前田公憲

連載

  • 計算機科学の数学 10
    ~ 一階述語論理(7) ~
    龍田 真

サポート情報

次号の予告

数理科学 2024年1月号 No.727

重力と量子力学

両理論の理解,接点,そして融合・統一へ
20世紀以降にみられる物理学の飛躍的発展は,相対性理論と量子力学という2つの理論の登場によりもたらされました.現代物理学の基礎をなす両理論ですが,重力理論に量子論を取り入れた量子重力理論の構築には困難が立ちはだかり,今日も研究が進められています.本特集では,重力理論と量子力学ついて,それぞれどのような理論なのか,どのように関連しているのか,ニュートン力学からの考え方の変化・発展をはじめ,ブラックホールの物理や量子重力理論といった両理論と関連の深い研究の解説を通じ迫っていきます

<特集構成>
相対性理論と量子力学の対決/速習相対論/ラプラスの悪魔はシュレーデインガーの夢をみる/ħのつかない量子力学を思考実験した巨人たち/アインシュタインと物理学-アインシュタインは何を恐れたか/相対性理論における数学/量子力学の数学とは何か/量子力学から相対論的な場の量子論へ-量子力学が素粒子物理学の基盤となるまで/量子情報理論とブラックホールの物理/量子重力理論の構築に向けて-なぜ統ーは困難なのか

関連雑誌

重力と量子力学

1,049円(税込)

素粒子物理と物性物理

1,049円(税込)