数理科学 2025年7月号

2006年度 日本数学会出版賞受賞
科学の最前線を紹介する月刊誌

自然科学と社会科学はいまどこまで研究されているか,つねに科学の最前線を明らかにし,大学・企業で注目を浴びている雑誌です.
毎月20日発売 B5判 約80ページ 定価(本体:954円+税)

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数理科学 2025年7月号 No.745

量子物理の発展と未来

最先端から見る将来像
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2025年7月

JAN:4910054690750

在庫:在庫あり

内容詳細

1月号「量子力学の軌跡 ― 現代的視点で捉えなおす100年の歩み」に続く量子力学生誕100年記念の特集として,基礎理論としての量子力学とその応用としての量子技術は今後どのように発展していくのか,第一線で活躍される研究者の方々に,近年の進展を念頭に未来への期待をご執筆いただくことにより,量子物理学の将来像を占います.

表紙CGコメント

今回はホイットニーの傘と呼ばれる線織面を使ってモデリングしています.線織面は直線族からつくられる特徴を持ちますが,ここでは線織面を射影空間に埋め込み,射影変換を施してその形状を変形しています.(巴山竜来)

目次

特集

  • 巻頭言
    ~ 量子物理の現状と今後の発展への期待 ~
    筒井 泉
  • 量子と物理
    ~ 現状と今後について ~
    永長直人
  • 量子情報理論の特色と将来
    小芦雅斗
  • 発展する量子光学
    平野琢也
  • 量子異常を通して見る量子力学と幾何学的位相
    藤川和男
  • 弱値から見る量子の自然像
    ~ 物質波を用いた量子干渉実験を通して ~
    長谷川祐司
  • 弦理論の描く量子重力理論とその将来像
    高柳 匡
  • 量子情報,エネルギー,時間の矢
    ~ 量子の今後100 年へのパースペクティブ ~
    堀田昌寛
  • 量子と宇宙
    南部保貞

コラム

  • 量子力学の基礎と日本からの貢献
    筒井 泉
  • 自然界について量子力学から学ぶべきことは何だろうか?
    L.Vaidman , 筒井 泉

連載

  • Lappo-Danilevskyを読む 8
    ~ 指数行列の解析接続 ~
    原岡喜重
  • 量子集合論入門 10
    ~ 量子論理とオーソモジュラー束 ~
    小澤正直

サポート情報

次号の予告

書影
数理科学 2025年8月号 No.746

格子ゲージ理論

50年の発展と拡がりに迫る
K.G.Wilsonが格子ゲージ理論を提唱してから,2024年で50年の節目を迎えました.場の量子論のダイナミクスを非摂動的に調べる手法の格子ゲージ理論は,素粒子物理学やその周辺分野に大きな影響をもたらし,特に格子QCDはクォークからハドロンの性質を理解する上で重要な役割を果たしています.本特集では,格子ゲージ理論の50年間の歴史を振り返るとともに,基礎的なことから,理論の広がりや応用などの新しい方向性と,今後解決されるべき同分野の未解決問題など,最新の研究動向まで紹介していきます.

<特集構成>

本特集のささやかな案内(加堂大輔)/格子QCDの半世紀(宇川彰)/裸のクォークを見る ― 格子ゲージ理論がもたらした素粒子標準模型の完成(橋本省二)/QCDの相構造に迫る ― 初期宇宙にQCD由来の相転移は起こるのか?(青木保道)/格子QCDから核力を導く(青木慎也)/格子理論におけるDirac演算子とトポロジー(深谷英則)/動的単体分割のすゝめ(佐藤勇貴)/格子上の超対称ゲージ理論からグラフ理論へ(松浦壮)/格子ゲージ理論と量子計算(本多正純)/格子ゲージ理論の未解決問題 ― これからの半世紀(三角樹弘)

関連雑誌

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