重点解説 モンテカルロ法と準モンテカルロ法

SGCライブラリ

近年,特に大学理工系の大学院の充実はめざましいものがあります.しかしながら学部上級課程や大学院課程の学術的なテキスト・参考書はきわめて少ないのが現状です.
本ライブラリは,これらの状況を踏まえて,数理科学諸分野および関連する領域から現代的なテーマやトピックスを順次とりあげ,時代の要請に応える魅力的なライブラリを構築しようとするものです.

定期購読申込

SGCライブラリ  197

重点解説 モンテカルロ法と準モンテカルロ法

定価:
2,530
(本体:2,300円+税)
難易度:中級

発行日:2025年1月25日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-1623-1

サイズ:並製B5

ページ数:208ページ

在庫:在庫あり

内容詳細

今日では,自然科学,工学全般,機械学習・深層学習を含む統計学,数理ファイナンス,グラフィックス,オペレーションズ・リサーチなど多様な分野でモンテカルロ法・準モンテカルロ法が使われている.本書では,モンテカルロ法・準モンテカルロ法を理解し,使えるようになることを目指す.

目次

第1章 統計的推定とモンテカルロ法
  1.1 はじめに:モンテカルロ法とは
  1.2 様々な基本統計量
  1.3 独立な試行に基づく推定
  1.4 モンテカルロ法の定式化

第2章 乱数生成
  2.1 擬似乱数生成法
  2.2 確率分布からの乱数生成
  2.3 マルコフ連鎖モンテカルロ法

第3章 分散減少法
  3.1 分散減少法の効率性
  3.2 対照変量法
  3.3 制御変量法
  3.4 重点サンプリング
  3.5 層化サンプリング
  3.6 ラテン超方格サンプリング

第4章 マルチレベルモンテカルロ法
  4.1 バイアス・バリアンス分解
  4.2 制御変量法の一般化としての2レベルモンテカルロ法
  4.3 マルチレベルモンテカルロ法
  4.4 乱択化マルチレベルモンテカルロ法
  4.5 入れ子型期待値推定への応用

第5章 準モンテカルロ法の理論
  5.1 はじめに
  5.2 一様分布列
  5.3 ディスクレパンシーとは
  5.4 ディスクレパンシーの上界と下界
  5.5 コクスマ-ラフカの不等式
  5.6 乱択化準モンテカルロ法
  5.7 QMCは高次元でも役に立つのか?

第6章 再生核ヒルベルト空間
  6.1 再生核ヒルベルト空間の定義と性質
  6.2 再生核ヒルベルト空間上の数値積分
  6.3 ディスクレパンシーと1階のソボレフ空間
  6.4 コロボフ空間
  6.5 ソボレフ空間

第7章 準モンテカルロ法 ― 格子
  7.1 格子と双対格子
  7.2 格子のディスクレパンシー
  7.3 周期的な関数に対する高次収束
  7.4 非周期的な関数に対する格子則
  7.5 乱択化
  7.6 フロロフ積分則

第8章 準モンテカルロ法 ― デジタルネット
  8.1 基本直方体とt値
  8.2 デジタルネットとデジタル列
  8.3 良いデジタルネットやデジタル列の構成
  8.4 ウォルシュ解析と高次収束
  8.5 乱択化

第9章 いくつかの応用
  9.1 QMC実用ガイド
  9.2 PythonのQMCライブラリを試す
  9.3 QMCの数値実験例
  9.4 金融工学における応用例
  9.5 多変量正規分布の累積分布関数の計算
  9.6 ランダム係数の偏微分方程式

参考文献
索引

サポート情報

次号の予告

書影

量子電磁力学への招待

場の解析力学と場の量子論
量子電磁力学は,電荷を帯びた対象の間で働くあらゆる電磁相互作用は電荷間での光子の交換により生じている,という微視的理解を与える.本書では,実スカラー場の系を題材として,場の解析力学と量子論の基礎から,数値的手法を含めた,量子電磁力学の高次摂動計算まで解説する.

関連書籍

偏微分方程式の解の幾何学

坂口 茂

2,241円(税込)

中級
ゲージヒッグス統合理論

細谷 裕

2,547円(税込)

中級
相対性理論講義

米谷民明

2,547円(税込)

中級
重点解説 岩澤理論

福田 隆

2,547円(税込)

中級