共振器量子電磁力学

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近年,特に大学理工系の大学院の充実はめざましいものがあります.しかしながら学部上級課程や大学院課程の学術的なテキスト・参考書はきわめて少ないのが現状です.
本ライブラリは,これらの状況を踏まえて,数理科学諸分野および関連する領域から現代的なテーマやトピックスを順次とりあげ,時代の要請に応える魅力的なライブラリを構築しようとするものです.

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SGCライブラリ  162

共振器量子電磁力学

量子コンピュータのハードウェア理論
定価:
2,640
(本体:2,400円+税)
難易度:上級

発行日:2020年9月25日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-1487-9

サイズ:並製B5

ページ数:200ページ

在庫:在庫あり

内容詳細

共振器量子電磁力学(共振器QED)は,原子を共振器に閉じ込めて散逸のもととなる自由空間から隔離しクリーンな量子系を作ることを目指し,量子情報処理のハードウェア構築には不可欠な研究分野となっている.共振器QED系は,孤立量子系を目指しながらも,制御や測定のために外部光子場と繋がらざるを得ない.本書では,このような量子開放系の豊かな物理を伝えていく.

目次

第1章 量子光学の基礎
  1.1 調和振動子
  1.2 電磁場と光子
  1.3 原子
  1.4 自然放出
  1.5 Rabi振動
  1.6 着衣状態

第2章 QEDから共振器QEDへ
  2.1 共振器QEDとは
  2.2 共振器QEDの魅力
  2.3 さまざまな共振器QED系
  2.4 原子-共振器結合系の理論モデル
  2.5 共振器QED系における散逸
  2.6 弱結合・強結合

第3章 共振器QED系:孤立系としての性質
  3.1 Jaynes-Cummings模型の固有状態
  3.2 真空Rabi振動
  3.3 分散結合領域
  3.4 回転波近似の影響:Bloch-Siegertシフト
  3.5 超強結合・深強結合

第4章 量子開放系の理論(1):量子マスター方程式
  4.1 マスター方程式の導出
  4.2 原子-共振器系のマスター方程式
  4.3 期待値の運動方程式

第5章 量子開放系の理論(2):入出力定式化
  5.1 共振器-導波路結合系
  5.2 古典光の状態ベクトル
  5.3 演算子の時間発展
  5.4 期待値の時間発展
  5.5 有効ハミルトニアン
  5.6 様々な緩和

第6章 共振器QED系の緩和
  6.1 原子・共振器の緩和
  6.2 真空Rabi振動:弱結合と強結合
  6.3 Purcell効果
  6.4 位相緩和と量子ゼノ効果

第7章 古典光に対する応答
  7.1 共振器の定常応答
  7.2 原子の定常応答

第8章 光子に対する応答
  8.1 2準位原子の1光子・2光子応答
  8.2 ビームスプリッタ
  8.3 2光子量子ゲートへの応用
  8.4 Λ型原子の応答
  8.5 原子-光子量子ゲート
  8.6 着衣状態エンジニアリング

第9章 導波路QED入門
  9.1 導波路QED系とは
  9.2 無限導波路との結合
  9.3 超放射
  9.4 半無限導波路との結合
  9.5 半無限導波路に結合した単一原子
  9.6 Josephson量子フィルタ

第10章 パラメトリック増幅器・発振器
  10.1 定式化
  10.2 パラメトリック増幅
  10.3 スクイーズド光生成

付録A 量子もつれと混合状態
  A.1 直積状態とエンタングル状態
  A.2 密度演算子
  A.3 純粋状態と混合状態
  A.4 具体例

付録B 角運動量
  B.1 交換関係
  B.2 固有状態

付録C Schrieffer-Wolff変換

付録D ラプラス変換
  D.1 定義
  D.2 ラプラス変換の諸公式
  D.3 ラプラス逆変換
  D.4 微分方程式への応用

付録E 量子ゼノ効果
  E.1 射影仮設と量子ゼノ効果
  E.2 一般化された黄金律
  E.3 量子逆ゼノ効果

参考文献
索引

サポート情報

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