粗幾何学入門

SGCライブラリ

近年,特に大学理工系の大学院の充実はめざましいものがあります.しかしながら学部上級課程や大学院課程の学術的なテキスト・参考書はきわめて少ないのが現状です.
本ライブラリは,これらの状況を踏まえて,数理科学諸分野および関連する領域から現代的なテーマやトピックスを順次とりあげ,時代の要請に応える魅力的なライブラリを構築しようとするものです.

定期購読申込

SGCライブラリ  152

粗幾何学入門

「粗い構造」で捉える非正曲率空間の幾何学と離散群
定価:
2,552
(本体:2,320円+税)
難易度:中級

発行日:2019年9月25日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-1459-6

サイズ:並製B5

ページ数:200ページ

在庫:在庫あり

内容詳細

近年,多様体の範疇を超えた空間の幾何学が活発に研究されている.その一つである粗幾何学(coarse geometry)は,空間を遠くから眺めたときに見えて来る,粗い構造に着目した研究である.本書は,距離空間の基本的な知識をベースに,非正曲率空間の粗幾何学と粗バウム・コンヌ予想を解説した他に類を見ないテキストである.

目次

第1章 距離空間の粗同値と擬等長同型
  1.1 粗構造
  1.2 群の幾何学化
  1.3 粗ホモトピー
  1.4 開錘の粗幾何学
  1.5 コンパクト化

第2章 距離空間の増大度
  2.1 一様に離散的な距離空間の増大度
  2.2 有界幾何学を持つ距離空間に対する増大度

第3章 グロモフ双曲空間
  3.1 導入
  3.2 グロモフ積
  3.3 測地三角形
  3.4 双曲空間の測地線への射影とモースの補題
  3.5 グロモフ双曲空間の粗凸性

第4章 双曲空間の境界
  4.1 二分木の場合
  4.2 測地光線
  4.3 境界の構成
  4.4 境界の位相
  4.5 発展

第5章 様々な非正曲率空間
  5.1 CAT(0)空間
  5.2 ブーゼマン空間
  5.3 シストーリック複体

第6章 粗凸空間
  6.1 粗凸空間の定義
  6.2 理想境界
  6.3 粗カルタン・アダマールの定理

第7章 粗代数的位相幾何学
  7.1 一般粗ホモロジー論
  7.2 位相空間のホモロジー論を用いた粗ホモロジー論の構成
  7.3 開錘の粗ホモロジー

第8章 粗バウム・コンヌ予想
  8.1 距離空間が表現されたヒルベルト空間とロー代数
  8.2 粗バウム・コンヌ予想
  8.3 粗バウム・コンヌ予想と微分幾何学・微分位相幾何学との関係
  8.4 粗バウム・コンヌ予想が成立する空間

第9章 その他の話題
  9.1 漸近次元
  9.2 性質Aとヒルベルト空間への埋め込み
  9.3 エキスパンダーグラフ
  9.4 カジュダンの性質(T)

付録A 距離空間の一般論
  A.1 ヒルベルト空間への位相埋め込み
  A.2 概距離空間

付録B 単体複体
  B.1 抽象単体複体
  B.2 幾何学的実現

付録C 作用素環のK理論について
  C.1 C*環とK理論
  C.2 本文中で使われる命題

参考文献
索引

サポート情報

関連書籍

量子力学の考え方

根本香絵

2,012円(税込)

入門