数理科学 2020年1月号

数理科学 2020年1月号 No.679

量子異常の拡がり

アノマリーがつなぐ新たな物理
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2020年1月

JAN:4910054690101

在庫:在庫あり

内容詳細

近年,場の量子論研究において「量子異常(量子アノマリー)」の新たな側面が集中的に研究されており,その影響は素粒子論から物性論まで多岐にわたっています.本特集では,発展のポイントである,場の理論のトポロジカルな性質との関連,Higher-form symmetryと呼ばれる一般化対称性についての量子異常,トフーフト量子異常マッチングに基づく場の理論真空の理解,格子場の理論との関係の理解,といったことを中心に,ここ数年でどういったことが発展したのか,どういった問題があるのかなど,進展・発展の様子を前面に出しながら,紹介していきます.

表紙CGコメント

今月号の表紙では,ベクトル場を設定し,その流れに従って色を動かして描いています.ここではフレームごとに更新された画素の色とその前フレームの画素の色の中間をとって色を混ぜ合わせ,描画しています.(巴山竜来)

目次

特集

  • 量子異常の拡がり
    ~ 素粒子論から物性論まで ~
    三角樹弘
  • 量子異常今昔
    藤川和男
  • 量子異常の現代的視点
    米倉和也
  • アノマリー・マッチングのQCDへの応用
    谷崎佑弥
  • 量子力学系で見る量子異常とGlobal Inconsistency
    菊池勇太
  • 格子フェルミオンとゲージアノマリー
    菊川芳夫
  • Atiyah-Patodi-Singer指数定理と量子異常
    深谷英則
  • Lieb-Schultz-Mattis定理
    ~ 物性論におけるトフーフト量子異常 ~
    塩崎 謙
  • 輸送現象における量子異常のあらわれ
    本郷 優

連載

  • 例題形式で探求する複素解析の幾何学 18
    ~ リーマン面の射影構造とタイヒミュラー空間 ~
    志賀啓成
  • 幾何学的な線形代数 13
    ~ 等方的空間の幾何 ~
    戸田正人

サポート情報

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