数理科学 2020年6月号

数理科学 2020年6月号 No.684

冷却原子で探る量子物理の最前線

量子シミュレーションから光格子時計まで
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2020年6月

JAN:4910054690606

在庫:在庫あり

内容詳細

近年の物理学では,レーザー冷却により実現する冷却原子気体を用いた研究が注目を集めています.中性原子気体のボース-アインシュタイン凝縮の実現をはじめ,光格子トラップへの導入による他では作ることが難しい量子現象を舞台に,様々な興味深い研究が進められています.本特集では,そういった冷却原子の量子論について,歴史的背景や基礎的な事項の解説に加え,量子シミュレーション,非平衡現象,光格子時計など,最近の様々な研究についても紹介していきます.

表紙CGコメント

今回の表紙では正十二面体の頂点どうしをつないで 3 次元空間全体に配置し,その辺と頂点を描いています.正十二面体だけでは空間は充填できないため,隙間のある充填となっています.(巴山竜来)

目次

特集

  • 冷却原子
    ~ 量子物理学の新しいプラットフォーム ~
    高橋義朗
  • レーザー冷却ことはじめ
    井上 慎
  • 光格子中の冷却原子気体の量子物性
    段下一平
  • BCS–BECクロスオーバー
    大橋洋士
  • 量子シミュレーションと古典シミュレーション
    ~ 意外と頑張れる古典計算機 ~
    後藤慎平 , 段下一平
  • 冷却原子で探る非平衡物理
    長尾一馬 , 段下一平
  • 冷却原子気体と素粒子物理
    ~ 格子ゲージ理論の量子シミュレーション ~
    笠松健一
  • 冷却原子で探るトポロジカル不変量とモノポール
    素川靖司
  • 冷却原子量子コンピュータの可能性
    武井宣幸
  • 光格子時計
    山口敦史 , 香取秀俊

コラム

  • 冷却原子で探る開放量子多体系の物理
    中川大也

書評

  • ディープラーニングと物理学
    ~ 原理がわかる,応用ができる ~
    三宅 隆
  • データサイエンスのための数学
    佐藤一宏
  • 粗幾何学入門
    ~ 「粗い構造」で捉える非正曲率空間の幾何学と離散群 ~
    船野 敬

連載

  • 変化球の数理 3
    ~ 中空の丸いボールの変化 ~
    姫野龍太郎

サポート情報

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