量子力学ノート

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SGCライブラリ  102

臨時別冊・数理科学 2013年12月

量子力学ノート

数理と量子技術
定価:
2,462
(本体:2,238円+税)
難易度:中級

発行日:2013年12月25日

発行:サイエンス社

ISBN:4910054701234

サイズ:並製B5

ページ数:168ページ

在庫:品切れ

内容詳細

一通り学んで, どこかに不思議さを感じた人たちに向けた量子力学「学び直し」の書.最初の4章で問題意識を述べた後,量子力学の基礎を系統的に記述,第11章以降で従来の教科書にない新しい題材を扱う.アインシュタインを悩ました量子力学の不思議は量子技術の新展開を踏まえて見るべきであるという著者の考えが目次に反映されている.章末にコラムを配して構成に膨らみを持たせた.

目次

第1章 量子力学と波動性
  1.1 量子力学の方程式
  1.2 シュレディンガーの方程式
  1.3 ヤングの干渉
  コラム1 量子力学の現在:モノとコト,対象と手法

第2章 場の量子力学
  2.1 場と粒子の読み替え
  2.2 量子状態のエンタングルメント
  コラム2 プランク量子論を延命させたアインシュタイン

第3章 解析力学と状態空間
  3.1 最適選択理論としての解析力学
  3.2 位相空間による状態の表現
  3.3 変換理論としての解析力学
  3.4 ネーターの定理と保存則
  コラム3 アインシュタインのAとB
  コラム4 主観確率と客観確率

第4章 状態空間と情報量
  4.1 なぜ正準変換なのか?:リウヴィユ定理
  4.2 モノの状態に関する情報(帳面)
  4.3 行列力学と波動力学
  4.4 状態空間を元にした古典力学の見直し
  コラム5 孤独になったアインシュタイン
  コラム6 アインシュタインの復活

第5章 量子力学の数理ツール
  5.1 ヒルベルト空間のベクトル
  5.2 オペレータの表現
  5.3 状態の純粋状態と統計集団
  5.4 変換と変化
  5.5 不確定関係

第6章 周期的離散系
  6.1 周期境界条件
  6.2 有限離散系

第7章 シュレディンガーの方程式
  7.1 pとqの量子力学
  7.2 時間の移動:ハイゼンベルグ運動方程式とシュレディンガー方程式
  7.3 波動関数のいろいろな表現法
  7.4 Wignerの定理:ユニタリー変換と反ユニタリー変換
  コラム7 量子力学理論の誕生とノーベル賞

第8章 角運動量の固有状態
  8.1 回転変換の生成子としての角運動量
  8.2 角運動量オペレータの固有状態
  8.3 非可換,離散,量子

第9章 時空の対称性と状態ベクトル
  9.1 相対性原理の対称性
  9.2 ローレンツ変換とスピノール

第10章 スピンとパウリ行列
  10.1 スピン
  10.2 傾いたスピン
  10.3 Q-ビット状態の表示法
  10.4 二体スピン系の角運動量
  コラム8 アインシュタイン「隠れた変数」の行方

第11章 昇降演算子と物理量の固有状態
  11.1 昇降演算子
  11.2 量子化された不確定性度
  11.3 三次元の調和振動子
  11.4 水素原子の準位

第12章 測定理論
  12.1 測定過程の形式理論
  12.2 量子情報理論への拡張
  12.3 直接測定と間接測定
  12.4 測定過程に伴う不確定性
  12.5 測定後の状態ベクトル:コペンハーゲン解釈と多世界解釈
  コラム9 素朴実在論の踏み絵と「炎上」

第13章 状態を制御する
  13.1 ビーム・スプリッター
  13.2 Rabi振動
  13.3 Stern-Gerlach実験

第14章 実験量子力学
  14.1 二重スリットによるヤング干渉縞
  14.2 二原子による散乱光の干渉
  14.3 ベル不等式の検証と隠れた変数説
  14.4 測定に依存しない実在のパラドックス
  14.5 EPRのパラドックス
  14.6 Q-ビットのテレポーテーション(teleportation)
  14.7 ニュートリノ振動
  14.8 マッハ-ツェンダー干渉計での遅延選択実験
  14.9 量子ゼノン効果
  14.10 「シュレディンガーの猫」実験,など
  コラム10 EPR論文の引用回数
  コラム11 「波動関数の制御」の簡単な例

第15章 量子情報技術へ
  15.1 量子コンピュータ
  15.2 量子暗号
  コラム12 ファインマンと量子コンピュータ

あとがき

索引

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