電磁気学を考える

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電磁気学を考える

定価:
4,180
(本体:3,800円+税)
難易度:上級

発行日:1990年2月1日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-0572-3

サイズ:並製A5

ページ数:440ページ

在庫:品切れ

内容詳細

難解といわれる電磁気学も,“運動量とエネルギーの保存”を基本法則として再構成すれば,直観的に理解しやすくなる.たとえば,電磁誘導や電磁波の現象も初等的に理解される.広く理工系の学生から研究者・技術者までを対象とし,特に物理教育に携わる方々の一読を期待する.

目次

1 序説
1-1 はじめに
1-2 電磁気学の構成
1-3 Maxwellの方程式
1-4 Maxwellの電磁場理論の再構成
1-5 電磁気学の構成−新旧の比較
2 新空中の静電場
2-1 はじめに
2-2 静電場の基本法則
2-3 基本法則の応用例
2-4 電荷に働く電場の力
2-5 静電ポテンシャル
2-6 電荷に働く力
2-7 自己力と自己モーメント
2-8 帯電体に働く力
2-9 静電場のエネルギー
2-10 静電ポテンシャルの意味づけ
2-11 静電気学の再構成
2-12 運動量の保存
2-13 エネルギーの保存
2-14 基本法則のまとめ
2-15 電荷の役割
2-16 力線曲率の定理
2-17 一意性
2-18 導体を含む静電場
2-19 導体系のエネルギー
2-20 点電荷の系
2-21 容量係数,電位係数
2-22 定理の証明
2-23 まとめ
3 電磁場理論の再構成
3-1 はじめに
3-2 電磁場の基本法則
3-3 電磁運動量の消滅
3-4 電磁エネルギーの消滅
3-5 Maxwellの方程式を導く
3-6 X=0,Y=0の証明
3-7 電磁場の基礎方程式
3-8 基礎方程式の積分形
3-9 点電荷と線電流に働く力
3-10 まとめ
4 電磁場の直観的イメージ
4-1 はじめに
4-2 電磁場の直観的イメージ−電磁力線網
4-3 電磁現象の全体像
4-4 Faradayの電磁誘導の法則
4-5 Ampèreの法則
4-6 Biot-Savartの法則
4-7 平面電荷に働く力
4-8 平面電流に働く力
4-9 等速運動する帯電体の自己力と自己モーメント
4-10 一様電磁場中を等速運動する帯電体に働く力
4-11 Lorentz力
4-12 Ampèreの力
4-13 電磁波
4-14 帯電体と磁石の運動によって誘導される電磁場
4-15 まとめ
5 物質中の電磁場−基本的な物理量
5-1 はじめに
5-2 意味のある平均値
5-3 横の平均
5-4 縦の平均
5-5 空間的な平均
5-6 物質中の電磁場の積分法則
5-7 物質中の電磁場に対するMaxwellの方程式
5-8 これまでのまとめ
5-9 電磁場の力学的性質
5-10 電磁エネルギー
5-11 電磁運動量
5-12 Poyntingベクトル
5-13 Maxwell応力
5-14 不連続面での条件
5-15 電気分極と磁気分極
5-16 簡単な形の誘電体と磁性体−針と板
5-17 誘電率と透磁率
5-18 まとめ
6 物質中の電磁気学
6-1 はじめに
6-2 物質中の電磁場の理論構成
6-3 不連続面に働く電磁力
6-4 一様な誘電率と透磁率をもつ物質に働く電磁力
6-5 静電気学
6-6 静磁気学
6-7 分極電(磁)荷と磁化電流の面密度
6-8 分極電(磁)荷や磁化電流に電磁力は働くか?
6-9 電磁運動量の消滅
6-10 全運動量の保存
6-11 応用例
6-12 電磁エネルギーの消滅
6-13 全エネルギーの保存
6-14 熱力学的関係
6-15 まとめ
7 電磁気の単位
7-1 はじめに
7-2 電場に関する物理量の次元
7-3 磁場に関する物理量の次元
7-4 電荷と磁荷は正準共役である
7-5 電磁気の単位
7-6 VAMS単位系−磁流の概念
7-7 電磁気の諸量の単位
7-8 電磁場の強さの感覚的な目安
7-9 QQm=hの関係
7-10 MKSA単位系とGauss単位系の関係
7-11 まとめ
8 相対性理論入門
8-1 はじめに
8-2 相対性原理
8-3 電磁場の変換法則
8-4 Lorentz短縮,時計のおくれ
8-5 Lorentz変換
8-6 Lorentz変換の導き方
8-7 物質中の電磁場のLorentz変換
8-8 電気分極P,磁気分極Mの変換
8-9 電荷密度ρ,電流密度Jの変換
8-10 電磁場のLorentz変換
8-11 相対性理論入門
8-12 まとめ
9 運動物体の電磁気学
9-1 はじめに
9-2 非相対論的近似
9-3 Ohmの法則
9-4 電磁的に線形の物質
9-5 電磁誘導
9-6 磁場中を運動する導体は電池である
9-7 単極誘導
9-8 磁力線の速度とは?
9-9 まとめ
10 電気回路
10-1 はじめに
10-2 平行平板コンデンサー
10-3 コンデンサーとコイルの回路
10-4 電源と起電力
10-5 回路上の電位
10-6 Kirchhoffの法則
10-7 回路の方程式
10-8 磁気回路
10-9 変動する磁気回路
10-10 まとめ
11 孤立物体に働く電磁力
11-1 はじめに
11-2 物体に働く電磁力
11-3 一様媒質中の物体に働く静電力
11-4 一様媒質中の物体に働く静磁力
11-5 物体に働く電磁力のモーメント
11-6 電磁力と電磁力モーメントの公式
11-7 任意の外部電磁場による力とモーメント
11-8 静電場
11-9 静磁場
11-10 電流モーメントと磁気モーメント
11-11 一様媒質中の孤立物体
11-12 磁針
11-13 電流回路の磁気モーメント
11-14 定常電磁場と孤立物体の相互作用
11-15 一様に帯磁した球
11-16 まとめ
12 物質中の電磁場−誘電流体と磁性流体
12-1 はじめに
12-2 応力の表わし方
12-3 電磁角運動量の消滅
12-4 全角運動量の保存
12-5 運動方程式と角運動量方程式
12-6 連続物体のエネルギー方程式
12-7 流体のエネルギー方程式
12-8 誘電流体と磁性流体
12-9 Bernouliの定理の一般化
12-10 応用例
12-11 まとめ
13 物質中の電磁場−固体の応力
13-1 はじめに
13-2 物質についての保存法則
13-3 電磁場中の固体の熱力学的状態
13-4 応力に対する電磁場の影響
13-5 電磁的に線形の弾性体
13-6 体積膨張度と平均圧力
13-7 物体に働く電磁力−在来の理論との比較
13-8 まとめ
14 電磁気学のパラドックス
14-1 はじめに
14-2 Feynmanのパラドックス
14-3 霜田のパラドックス(1)
14-4 霜田のパラドックス(2)
14-5 静電磁場の電磁運動量と電磁角運動量
14-6 軸対称磁場のベクトル・ポテンシャル
14-7 点電荷と点磁荷による電磁運動量と電磁角運動量
14-8 Feynmanのパラドックス再論
14-9 霜田のパラドックス(2)再論
14-10 Trouton-Nobleのパラドックス
14-11 電子の剛体球モデル,Poincarè応力
14-12 まとめ

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