量子力学

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量子力学

定価:
3,080
(本体:2,800円+税)
難易度:上級

発行日:2010年9月10日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-1263-9

サイズ:上製A5

ページ数:264ページ

在庫:在庫あり

内容詳細

実験家の苦悩と喜び.そして,量子力学の真髄に触れる数々の実験の裏側で交わされた先駆者たちとの対話と成功の瞬間を,多くの写真とともに振り返った集大成.本書は,40年以上にわたる著者の努力と挑戦のすべてをまとめた.
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目次

第1章 目で見るミクロの世界
  1.1 はじめに
  1.2 電子の波紋を見る
  1.3 きれいな波紋の電子波を作る
  1.4 レーザーのように波紋の揃った電子の波
  1.5 電子の波でミクロの世界を見る―磁力線,金曜講話,AB効果,そして二重スリットの実験―
  1.6 おわりに

第2章 ミクロの世界を探る電子線技術
  2.1 はじめに
  2.2 電子顕微鏡
  2.3 電子線の干渉技術

第3章 渡辺宏にあこがれて日立中研に!
  3.1 はじめに
  3.2 電子線物理の世界に入ったわけ
  3.3 ボーム・パインズの理論とその実証
  3.4 40年を振り返って

第4章 干渉性の良い電子の波―トンネル効果で針先から出る電子
  4.1 はじめに
  4.2 電子線を作る
  4.3 電界放出電子線
  4.4 エネルギー分布
  4.5 干渉性の良い電子線とは
  4.6 重要な“輝度”の値
  4.7 おわりに

第5章 目で見る波動関数
  5.1 はじめに
  5.2 基本は重要
  5.3 不思議な“波動関数”
  5.4 スピン
  5.5 電子線で見る波動関数
  5.6 中性子線で見る波動関数のスピン効果
  5.7 おわりに

第6章 二重スリットの実験
  6.1 はじめに
  6.2 電子1個を検出する2次元検出器
  6.3 二重スリットの実験の歴史
  6.4 電子の二重スリットの実験
  6.5 実験開始
  6.6 15年後の反響
  6.7 ファインマンの経路積分
  6.8 おわりに

第7章 二重スリットの実験のその後
  7.1 はじめに
  7.2 マクロな粒子が2つのスリットを通るのか?
  7.3 電子はどちらのスリットを通ったのか?
  7.4 鳩山シンポジウム
  7.5 どちらのスリットを通ったかを検出すると,干渉縞が消失する?
  7.6 AB効果で干渉縞が消失する
  7.7 電子線バイプリズムの実験
  7.8 箱の中の電子―アインシュタインの思考実験―
  7.9 遅延選択実験

第8章 アハラノフ・ボーム効果―触れてもいない磁場を感じる電子
  8.1 はじめに
  8.2 ベクトル・ポテンシャル
  8.3 AB効果の誕生
  8.4 メレンシュテットの実験
  8.5 電磁気とは何だろう?
  8.6 AB効果論争

第9章 アハラノフ・ボーム効果の検証実験
  9.1 はじめに
  9.2 AB効果は存在するのか?
  9.3 事の起こり
  9.4 検証実験
  9.5 ISQM
  9.6 完璧な検証実験

第10章 アハラノフ・ボーム効果その後
  10.1 はじめに
  10.2 固体中の電子が示すAB効果
  10.3 ISQM発足の顛末
  10.4 ウェッブの実験
  10.5 AB効果は古典的に説明できる?
  10.6 AB効果の古典論の実験―電子に力が働いているか否か?―

第11章 電子線ホログラフィー―光の波面として再現される電子の波面
  11.1 はじめに
  11.2 顕微鏡で見える限界
  11.3 ガボールの夢―ホログラフィー―
  11.4 電子線ホログラフィーの実験
  11.5 おわりに

第12章 電子波の位相を考える
  12.1 はじめに
  12.2 電子波の位相
  12.3 波の波面
  12.4 電子の軌道
  12.5 電子派を経路積分で考える

第13章 電子の位相で見るミクロの磁力線―干渉電子顕微鏡
  13.1 はじめに
  13.2 干渉顕微鏡像
  13.4 位相で見るミクロの世界
  13.5 ミクロの磁力線の観察

第14章 超伝導体で囲まれた磁束は量子化する!
  14.1 はじめに
  14.2 超伝導とは
  14.3 磁束量子化の発見
  14.4 磁束が量子化する過程を見る
  14.5 量子化磁束が超伝導体を突き抜ける!―アブリコソフの予言―
  14.6 境界エネルギーの異なる2種類の超伝導体
  14.7 磁束量子を観察する

第15章 超伝導電流が作る渦―磁束量子
  15.1 はじめに
  15.2 磁束量子観察の歴史
  15.3 渦
  15.4 一様な磁場に対応する“流れ”
  15.5 渦の諭無は,流線では判断できない
  15.6 ゲージに変換に対応する“渦なしの流れ”
  15.7 磁束量子の周りのAに対応する流れ
  15.8 超伝導体中に生じる磁束量子
  15.9 磁束量子の磁力線を見る

第16章 磁力線の観察から超伝導を考える
  16.1 はじめに
  16.2 超伝導体内部で何が起こっているのか?
  16.3 ゲージ対称性の破れを見る
  16.4 対称性が破れる理由
  16.5 おわりに

第17章 超伝導体内部の磁束量子を見る
  17.1 はじめに
  17.2 日立基礎研究所
  17.3 ローレンツ顕微鏡法
  17.4 磁束量子はパチンコ玉
  17.5 マッチング効果を見る
  17.6 次の狙いは高温超電導体!

第18章 高温超伝導体の磁束量子を見る
  18.1 はじめに
  18.2 100万ボルトホログラフィー電子顕微鏡の開発
  18.3 高温超電導体中の磁束量子
  18.4 柱状欠陥にトラップされる磁束量子
  18.5 チェーン状に並ぶ磁束量子の謎
  18.6 フレンケル・コントローバ・モデル
  18.7 おわりに

第19章 見えないものを見る
  19.1 はじめに
  19.2 ものを見る
  19.3 電子で見えないものを見る
  19.4 玉葱のような自然―自然の階層―
  19.5 電子顕微鏡で見る美しい電子・分子の世界
  19.6 超高分解能電子顕微鏡への夢
  19.7 おわりに

第20章 量子力学の展開
  20.1 量子力学の基礎現象
  20.2 究極理論の夢
  20.3 役立ち始めた量子力学
  20.4 量子力学の今後の展開
  20.5 おわりに

あとがき
参考文献
索引

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