ポジティブなこころの科学

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セレクション社会心理学  31

ポジティブなこころの科学

人と社会のよりよい関わりをめざして
定価:
2,640
(本体:2,400円+税)
難易度:中級

発行日:2019年12月25日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-1458-9

サイズ:並製四六

ページ数:384ページ

在庫:在庫あり

内容詳細

ポジティブ心理学は提唱されてからまだ歴史が浅いものの,諸外国では急速な発展をとげています.本書では,斯学の第一人者である著者が,さまざまな方に興味をもって頂けるよう,その研究領域を学術的な視点から幅広く紹介しています.幸せとは何か,よりよく生きるためにはどうしたらよいかといった問題に関心のある方,大学で本格的に学ぼうとする方におすすめの一冊です.

目次

1 ポジティブ心理学とは何か
  ポジティブ心理学とは何か
  ポジティブ心理学の提唱
  ポジティブ心理学の歴史
  ポジティブ心理学の研究領域
  他の心理学領域との関連
  日本のポジティブ心理学的研究─ポジティブ心理学の導入以前

2 ウェル・ビーイングのとらえ方
  ヘドニックな「幸福感」
  主観的ウェル・ビーイング
  エウダイモニックな「幸福感」
  社会的ウェル・ビーイング
  日常活動のフラリッシュ
  人生の質(QOL)と人生の意味(MIL)
  SWBに関するその他の尺度

3 ウェル・ビーイング研究へのアプローチ
  ウェル・ビーイングの背景にある理論的説明
  ウェル・ビーイングのセット・ポイント説
  セット・ポイントと遺伝
  セット・ポイント説への反論
  ボトムアップ・アプローチ
  持続的幸福感モデル

4 ウェル・ビーイングとポジティブ感情
  ネガティブ感情の強さ
  悪いことはよいことより強い
  ポジティブ感情とネガティブ感情
  ポジティブ感情の機能
  拡張―形成理論
  ポジティビティ比とポジティブ感情補正
  ポジティブ感情の安定性

5 ウェル・ビーイングとパーソナリティ特性
  特性論的アプローチと状況論的アプローチ
  ビッグ・ファイブ研究とウェル・ビーイング(1)
  ビッグ・ファイブ研究とウェル・ビーイング(2)
  キャラクター・ストレングス 
  クリフトン・ストレングス・ファインダー
  強み介入
  人間のもつポジティビティ

6 ポジティブな認知様式(1)─符号化方略と期待・楽観性
  認知論的パーソナリティと主観的ウェル・ビーイング
  符号化方略の個人差─ケリーの個人的構成体理論
  符号化方略の共有性(1)─ポジティブ幻想
  符号化方略の共有性(2)─ポジティブ・バイアス
  期待―価値理論
  期待・信念の個人差(1)─If-Thenの考え方
  期待・信念の個人差(2)─気質的楽観性
  期待・信念の個人差(3)─説明スタイル
  防衛的悲観主義と非現実的楽観主義

7 ポジティブな認知様式(2)─目標・価値、自己制御
  目標の個人差
  個人的課題とウェル・ビーイング
  希望理論
  価値の個人差
  自己制御─ホットなシステムとクールなシステム
  コントロール理論
  自己資源枯渇モデル
  自己制御方略の個人差─制御焦点
  自己制御とSWB

8 ポジティブな自己─自尊感情、自己効力感と自己決定理論
  パーソナリティと自己
  自尊感情へのアプローチ
  自尊感情の二要因モデル
  自尊感情の測定
  高自尊感情の問題点
  自尊感情とSWB
  自己効力感の概念
  自己効力感の測定
  自己決定理論
  自律動機の重要性
  自己決定理論とSWB

9 日常的活動とフロー
  日常的活動・余暇活動とウェル・ビーイング
  フロー理論
  フローの測定
  経験サンプリング法
  リバーサル理論
  セイバリング(満喫)
  マインドフルネス

10 ポジティブな対人関係
  対人魅力・恋愛研究
  対人関係研究の発展
  進化心理学と愛着理論
  親密な人間関係研究
  マインディング
  キャピタリゼーション(資本化)
  ポジティビティ共鳴
  ウェル・ビーイングとロマンティックな愛の関連

11 ポジティブ心理学と健康
  ポジティブ心理学と健康
  ポジティブ心理学と身体的健康
  ポジティブ心理学と精神的健康
  個人的資源と健康
  リジリエンス
  社会的資源と健康
  宗教性と健康

12 ポジティブ心理学と教育・発達
  ポジティブな教育
  ポジティブ・スクーリング
  強み祝福プログラム
  ポジティブな青少年の発達
  生涯発達的視点(1)─世代継承性
  生涯発達的視点(2)─サクセスフル・エイジング
  生涯発達的視点(3)─社会的知性と知恵

13 ポジティブな組織・社会・環境
  ポジティブな労働・組織
  ポジティブ・リーダーシップ
  コーチング心理学
  市民的参画
  ポジティブな社会変革
  持続可能な環境
  持続可能なウェル・ビーイング

14 ポジティブな介入
  ポジティブな介入
  セリグマンらの幸福感介入
  リュボミアスキーの「人―活動適合モデル」
  フレドリクソンの「愛―優しさ瞑想法」とポジティブ・ポートフォリオ
  ポジティブ心理学的介入の発展
  ポジティブ心理学的介入の諸相

15 ポジティブ心理学と文化
  幸福感の文化差に関する国際比較
  文化差をもたらす変数
  比較文化研究の留意点
  ウェル・ビーイングの概念的等価性
  日本的ウェル・ビーイングの検討
  社会生態学的アプローチ
  ポジティブ心理学への批判と将来展望

あとがき
著者による本書引用文献一覧
引用文献

サポート情報

広告・書評

「社会心理学研究 第36巻第1号」の書評で本書が紹介されました.

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