非平衡超伝導の物理

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近年,特に大学理工系の大学院の充実はめざましいものがあります.しかしながら学部上級課程や大学院課程の学術的なテキスト・参考書はきわめて少ないのが現状です.
本ライブラリは,これらの状況を踏まえて,数理科学諸分野および関連する領域から現代的なテーマやトピックスを順次とりあげ,時代の要請に応える魅力的なライブラリを構築しようとするものです.

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非平衡超伝導の物理

現代的な視点から理解する場の凝縮現象
定価:
2,970
(本体:2,700円+税)
難易度:上級

発行日:2026年5月25日

発行:サイエンス社

ISBN:978-4-7819-1668-2

サイズ:並製B5

ページ数:216ページ

在庫:在庫あり

内容詳細

近年,超伝導体を非平衡状態にすることで,ヒッグスモードとよばれる場の凝縮に起源を持つ現象が観測されている.また,平衡状態では実現しないような新しい超伝導相が非平衡状態において生み出せるのではないかという試みもある.本書では超伝導とは何かから説きおこし,超伝導体の非平衡状態が織りなす多彩な物理現象とその基礎理論について近年の研究の発展を踏まえて解説する.

目次

第1章 はじめに
  1.1 超伝導とは何か?
  1.2 超伝導と素粒子物理
  1.3 超伝導体における「ヒッグス粒子」
  1.4 非平衡超伝導の物理

第2章 マクロな超伝導の現象論
  2.1 ギンツブルグ-ランダウ理論
  2.2 明示的にゲージ不変な形式
  2.3 時間依存ギンツブルグ-ランダウ理論
  2.4 時間依存ギンツブルグ-ランダウ理論にまつわる問題

第3章 マクロな現象論でみる非平衡超伝導
  3.1 超伝導体の集団励起モード
  3.2 集団励起モードと電磁場の結合
  3.3 定常的に超伝導電流が流れている場合
  3.4 複数の秩序変数が存在する場合
  3.5 リフシッツ不変量
  3.6 秩序変数が空間的に非一様な場合

第4章 ミクロな超伝導の基礎理論
  4.1 超伝導体のミクロな模型
  4.2 明示的にゲージ不変な形式
  4.3 BCS理論と対称性
  4.4 エネルギースペクトル

第5章 ミクロな理論でみる非平衡超伝導
  5.1 時間依存BCS理論
  5.2 相互作用クエンチ
  5.3 振動電場による駆動
  5.4 3次高調波の共鳴
  5.5 様々な拡張

第6章 非平衡グリーン関数
  6.1 経路順序形式
  6.2 1粒子グリーン関数
  6.3 ラングレス則
  6.4 摂動展開
  6.5 カダノフ-ベイム形式
  6.6 ケルディッシュ形式

第7章 超伝導体の電磁応答
  7.1 南部-ゴルコフのグリーン関数
  7.2 マイスナー-オクセンフェルト効果
  7.3 集団励起モード
  7.4 集団励起モードの電場応答
  7.5 ギンツブルグ-ランダウ理論の導出
  7.6 不純物効果

第8章 フロッケ状態
  8.1 周期的に駆動された量子系
  8.2 フロッケの定理
  8.3 いくつかの例
  8.4 高周波数展開
  8.5 フロッケグリーン関数
  8.6 超伝導フロッケ状態

第9章 非平衡動的平均場理論
  9.1 動的平均場理論
  9.2 非平衡系への拡張
  9.3 不純物問題の解法
  9.4 超伝導相への応用

第10章 ηペアリング超伝導
  10.1 ハバード模型と対称性
  10.2 非対角長距離秩序
  10.3 エンタングルメントエントロピー
  10.4 量子多体傷跡状態

第11章 トポロジカル秩序としての超伝導
  11.1 トポロジカル秩序
  11.2 BF理論
  11.3 高次形式対称性

第12章 まとめ

付録A 時間依存BCS理論の数値解法

付録B 2粒子密度行列の固有値の上限

参考文献
索引

サポート情報

次号の予告

書影

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