数理科学 2025年12月号

2006年度 日本数学会出版賞受賞
科学の最前線を紹介する月刊誌

自然科学と社会科学はいまどこまで研究されているか,つねに科学の最前線を明らかにし,大学・企業で注目を浴びている雑誌です.
毎月20日発売 B5判 約80ページ 定価(本体:954円+税)

定期購読申込
数理科学 2025年12月号 No.750

《位相的》場の量子論の数理

発展する数学と物理学の交差点
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2025年12月

JAN:4910054691252

在庫:在庫あり

内容詳細

位相的場の量子論は物理学に端を発する理論ですが,数学の立場からも深く興味を持たれる研究対象であり,今日の数理物理学において大変注目を集めるテーマです.本特集ではこの位相的場の量子論について,その豊かな数理から多彩なトピックを包括的に取り上げ,トポロジカルな見方がもたらす物理学的興味,数学へ与えたインパクトの大きさなど,現代数学・物理学の交流の最前線に迫ります.

表紙CGコメント

2 次元トーラスを 2 つの円でパラメトライズするとき,円周の等分点で離散化するとトーラス上の格子が得られます.この格子の隣接する 4 点は同一円周上にあることがわかります.よってこれらの円盤でトーラスを覆うことができます.今回の表紙では,これらの円盤をメビウス変換によって変形してモデリングしています.(巴山竜来)

目次

特集

  • 巻頭言
    山崎雅人
  • 位相的場の量子論への入門
    ~ 数学の立場から ~
    五味清紀
  • 位相的場の量子論への入門
    ~ 物理学の立場から ~
    山崎雅人
  • 位相的場の理論と結び目
    鈴木咲衣
  • 2次元共形場理論と位相的場の理論
    森脇湧登
  • 位相的場の量子論と4次元多様体
    ~ ゲージ理論的不変量とフレアー理論 ~
    今野北斗
  • 空っぽな理論が奥深い?
    ~ 可逆場の理論 ~
    米倉和也
  • 一般化対称性と位相的場の理論
    大森寛太郎
  • 位相的弦理論と平面分割の数え上げ
    菅野浩明

書評

  • 圏論的ホモトピー論への誘い
    ~ 空間の代数的モデルへの探求 ~
    梶浦宏成
  • 行列解析とその応用
    ~ 関数解析の考え方と行列の様々な不等式 ~
    瀬尾祐貴

連載

  • 冷却原子と開放量子多体系の物理 1
    ~ はじめに ~
    中川大也

研究室の窓

  • 数学で生かしてもらうということ
    久野恵理香

サポート情報

次号の予告

数理科学 2026年1月号 No.751

学習物理学から生成科学へ

物理学とAI技術の融合による科学の未来
大規模言語モデルをはじめとする生成AIが社会や科学の現場で利用されつつあるいま,数理科学分野におけるAIとの融合による研究にも注目が集まっています.本特集では,近年劇的に進展しているAI技術と物理学の融合領域「学習物理学」に焦点を当て,物理学における多様な分野で,いかにAIが物理学と融合しているか,またAIの利用により物理学の課題解決がいかに加速されているかに迫り,さらに,これらの進展が将来の「生成科学」という分野を切り拓く可能性についても紹介していきます.

巻頭言 ― 物理学を「生成する」とはどういうことか(橋本幸士)/生成科学 ― 人間とAIが共創する新たな科学のかたち(広野雄士)/計算物理学における物理的配位生成(富谷昭夫)/物理的ニューラルネットによる極小曲面の生成 ― 微分方程式ソルバーとしての機械学習(棚橋典大)/超伝導物質の波動関数の生成(金子隆威)/自己学習による分子動力学の生成(永井佑紀)/世界最強LHCにおける生成AI(森永真央)/拡散生成モデルと量子力学(田中章詞)/[コラム]記号創発システム論と生成科学(谷口忠大)/[コラム]自動数学(三内顕義)

関連雑誌

学習物理学から生成科学へ

1,049円(税込)

格子ゲージ理論

1,049円(税込)

量子物理の発展と未来

1,049円(税込)

物理学と特殊関数

1,049円(税込)