数理科学 2025年11月号

2006年度 日本数学会出版賞受賞
科学の最前線を紹介する月刊誌

自然科学と社会科学はいまどこまで研究されているか,つねに科学の最前線を明らかにし,大学・企業で注目を浴びている雑誌です.
毎月20日発売 B5判 約80ページ 定価(本体:954円+税)

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数理科学 2025年11月号 No.749

行列がもたらす数理の表現

多様な数理現象解明へのアプローチ
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2025年11月

JAN:4910054691153

在庫:在庫あり

内容詳細

線形代数において象徴的な概念である「行列」は,数理諸現象の線形性や振舞いを記述したりと,理系学問のあらゆる場面で活躍する重要なツールであり,その応用は極めて多岐にわたります.本特集では,この行列にフォーカスして,数理科学の種々の分野における行列の使われ方や数理諸現象の行列による表現,その表現にまつわる理論などを取り上げ,行列表現の真価に迫ります.

表紙CGコメント

マンデンブロ集合はある 2 次関数を漸化式として,その定数項が複素平面上を動くとき,それが収束するかどうかによって複素平面上で定義される集合です.今回の表紙ではマンデルブロ集合を四元数上に拡張し,3 次元領域上の点に対応する四元数が収束するかどうかによってその集合を描いています.(巴山竜来)

目次

特集

  • 巻頭言
    松枝宏明
  • 線形代数と行列
    戸松玲治
  • 微積分における行列たち
    ~ ヤコビ行列とヘッセ行列 ~
    川平友規
  • 関数解析と行列
    ~ 無限次行列,演算子など ~
    鈴木悠平
  • 有限群の射影表現
    渡辺悠樹
  • 情報幾何学と行列
    ~ フィッシャー情報行列,時空,準行列式 ~
    鈴木達夫
  • 古典物理と力学系理論から
    千葉逸人
  • 量子物理学と行列
    ~ 量子多体系を解く ~
    桂 法称
  • 統計物理学と行列
    ~ 特異値分解の応用 ~
    松枝宏明
  • ランダム行列と行列積分論
    ~ 現代特殊函数論入門として ~
    木村太郎

書評

  • 線形代数の半歩先
    ~ データサイエンス・機械学習に挑む前の30話 ~
    入江 薫
  • 量子電磁力学への招待
    ~ 場の解析力学と場の量子論 ~
    鈴木 博
  • 微分方程式の数値解析とデータサイエンス
    高安亮紀

研究室の窓

  • 研究室からひろがる世界
    嶽村智子

サポート情報

次号の予告

書影
数理科学 2025年12月号 No.750

《位相的》場の量子論の数理

発展する数学と物理学の交差点
位相的場の量子論は物理学に端を発する理論ですが,数学の立場からも深く興味を持たれる研究対象であり,今日の数理物理学において大変注目を集めるテーマです.本特集ではこの位相的場の量子論について,その豊かな数理から多彩なトピックを包括的に取り上げ,トポロジカルな見方がもたらす物理学的興味,数学へ与えたインパクトの大きさなど,現代数学・物理学の交流の最前線に迫ります.

巻頭言(山崎雅人)/位相的場の量子論への入門 ― 数学の立場から(五味清紀)/位相的場の量子論への入門 ― 物理学の立場から(山崎雅人)/位相的場の理論と結び目(鈴木咲衣)/2次元共形場理論と位相的場の理論(森脇湧登)/位相的場の量子論と4次元多様体 ― ゲージ理論的不変量とフレアー理論(今野北斗)/空っぽな理論が奥深い? ― 可逆場の理論(米倉和也)/一般化対称性と位相的場の理論(大森寛太郎)/位相的弦理論と平面分割の数え上げ(菅野浩明)

関連雑誌

データの幾何学と機械学習

1,049円(税込)

《多様体》の探求

1,049円(税込)

量子群の世界

1,049円(税込)