数理科学 2026年1月号

2006年度 日本数学会出版賞受賞
科学の最前線を紹介する月刊誌

自然科学と社会科学はいまどこまで研究されているか,つねに科学の最前線を明らかにし,大学・企業で注目を浴びている雑誌です.
毎月20日発売 B5判 約80ページ 定価(本体:954円+税)

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数理科学 2026年1月号 No.751

学習物理学から生成科学へ

物理学とAI技術の融合による科学の未来
定価:
1,049
(本体:954円+税)

発行月:2026年1月

JAN:4912054690167

在庫:在庫あり

内容詳細

大規模言語モデルをはじめとする生成AIが社会や科学の現場で利用されつつあるいま,数理科学分野におけるAIとの融合による研究にも注目が集まっています.本特集では,近年劇的に進展しているAI技術と物理学の融合領域「学習物理学」に焦点を当て,物理学における多様な分野で,いかにAIが物理学と融合しているか,またAIの利用により物理学の課題解決がいかに加速されているかに迫り,さらに,これらの進展が将来の「生成科学」という分野を切り拓く可能性についても紹介していきます.

表紙CGコメント

今回の表紙は織物データ生成技法である wave2weave を使って作成しました.織物は糸の露出によってそのパターンが決まりますが,糸の露出を順序に従って増やす・減らすことによってグラデーションをつくります.wave2weave は波形によってこのグラデーションをデザインします.今回はノイズ関数を使って波形をつくり,そこからゆらぎのあるグラデーションパターンをつくりました.(巴山竜来)

目次

特集

  • 巻頭言
    ~ 物理学を「生成する」とはどういうことか ~
    橋本幸士
  • 生成科学
    ~ 人間とAIが共創する新たな科学のかたち ~
    広野雄士
  • 計算物理学における物理的配位生成
    富谷昭夫
  • 物理的ニューラルネットによる極小曲面の生成
    ~ 微分方程式ソルバーとしての機械学習 ~
    棚橋典大
  • 超伝導物質の波動関数の生成
    金子隆威
  • 自己学習による分子動力学の生成
    永井佑紀
  • 世界最強LHCにおける生成AI
    森永真央
  • 拡散生成モデルと量子力学
    田中章詞

コラム

  • 記号創発システム論と生成科学
    谷口忠大
  • 自動数学
    三内顕義

書評

  • 入門講義 量子情報科学
    西野哲朗

『めくるめく数理の世界』から“こぼれた”こぼれ話

  • 学術会議よ,がんばれ
    甘利俊一

連載

  • 冷却原子と開放量子多体系の物理 2
    ~ 冷却原子の基礎(1) ~
    中川大也

サポート情報

次号の予告

数理科学 2026年2月号 No.752

インフレーションから拡がる物理の発展

初期宇宙が創造する多彩な理論研究
初期宇宙の加速膨張“インフレーション”は,ビッグバン宇宙論の諸問題を解決するとともに,宇宙背景放射の観測などからも強くサポートされ,現代宇宙論の根幹をなすパラダイムの一つとして広く受け入れられています.また近年では,素粒子論や弦理論のみならず,非平衡統計力学や量子情報的な視点も幅広く取り入れるなど,多様な広がりを見せています.本特集ではインフレーション宇宙論について,入門的な解説から,模型構築や宇宙観測に関する現状と展望,さらに他の物理理論との関連まで幅広く取り上げます.

巻頭言(野海俊文)/インフレーション宇宙論の基礎 ― インフレーションへの入門的な導入(向山信治)/原始重力波 ― インフレーションの痕跡を捉える(黒柳幸子)/インフラトンの正体は何か? ― 素粒子物理・弦理論の観点からのインフレーション理論とスワンプランド予想(濱田雄太)/原始ブラックホール ― インフレーションが生み出した宇宙最初の天体(齊藤遼)/原始揺らぎの非ガウス性 ― 理論と観測(白石希典)/宇宙論的加速器物理学 ― 超高エネルギー実験場としてのインフレーション宇宙(野海俊文)/インフレーションと非平衡統計力学 ― 確率過程としてのインフレーション宇宙(多田祐一郎)/量子情報とインフレーション ― 原始重力波の量子性(菅野優美)/ホログラフィック原理と宇宙創成(疋田泰章)

関連雑誌

格子ゲージ理論

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量子物理の発展と未来

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